VOL.22 学校へ行こう③ ~校内ICTの現状-その2~
#みんなが使っているICT#
こんにちは。
今回はICT化の現状-その2です。
学校現場でIT化されたものについて
書きたいと思います。
学校現場で現在ほとんどの教員が
使っているであろうICT。
それは、
校務支援システム です。
#校務支援システムとは#
これが何かといいますと、
読んで字のごとく、先生の仕事を
支援するためのシステムです。
あまり知られていないと思いますが
先生の仕事は、授業をするだけではありません。
◇先生の仕事◇
・授業(準備・フォローアップ含む)
・子どもの指導(生活・安全など)
・保護者とのやり取り(クレーム含む)
・職員会議、その他会議
(行事・校内研究・生活指導・特別活動・教科について・庶務など)
・書類作成
(教委からのアンケート・学年便り・会議資料など)
・成績表作成(出欠状況・学習状況・生活など)
などなど・・・・まあ、色々あるわけです。
このうち、ICTで支援できることは限られるわけですが、
導入されたシステムのメインは
通知表作成の支援 です。
具体的には、通知表が手書き⇒PC作成へと変わりました。
これは、大きかったです。
あとは、会議の効率化かな・・・。
#成績表作成の苦労#
通知表のPC作成によって楽になったことを
語る前に、手書き時代のことをお伝えします。
◇手書き時代の通知表◇
3学期制の学校では年3回、2期制だと年2回
通知表を作成します。
成績は、テストだけではなく
普段の授業の様子や発言、ノートの中身など
色々な要素を総合的に判断しています。
ですから、毎日の授業の記録は
教師には必須です。
通知表の作成で教員が一番苦労していたところ、
それは、実は・・・
所見とよばれる子どもの様子を文章で伝える欄になります。
一人一人についてがんばったところや
学期中に印象に残った出来事などを
考えて文章を作成するのも大変ですが、
何が一番大変かというと、
文章が手書き ということです。
通知表をご覧になった方はお分かりだと思いますが
行が狭いので小さい字で書かなければならないし、
1人の分量は少なくても、40人分書くとなると重労働です。
しかも、ペンで書くため、間違うとこの修正が大変です。
公文書ではないのですが、修正液の使用は認められません。
どうやって、修正するのかというと
電動消しゴム を使用します。
見たことがない方もいると思うので説明しますと、
砂消しゴムが機械の先についていて、スイッチを押すと
高速でその砂消しゴムが動くので、ペンも消せるという仕組みです。
「教員以外にどんな人が使用するんだろう」と
不思議でたまらなかった代物ですが、
電動消しゴムは教員の三種の神器
の一つだと勝手に思っていました。
電動消しゴムは他にも、
印鑑や成績のスタンプの押し間違いなどでも活躍しました。
優秀で、とてもきれいに修正できるのですが
1つの間違い直すのに、5分以上かかることもあり、
成績表作成では、1つのミスが大きな命取りとなりました。
そんなことを繰り返していると、所見を仕上げるだけで
例えば、30人学級でも
1人20分×30+α(修正時間・休憩など)=7~8時間 となります。
当然、この作業を学期中に行っているわけで
翌日の授業の準備などもあり、実際の作業時間は
さらに伸びると思います。
#校務支援システム様様#
校務支援システムのおかげで
この大変な手書き作業がなくなっただけではなく
成績スタンプなども入力すれば点けてくれるなど
手書きで書く部分がなくなりました。
さらに、このシステムが優れているのは、
各学期の所見や成績を保存し、年度末の
年間成績(指導要録といわれる)を出すときにも
活用できたことです。
成績表を電子化することには
「人間味がなくなり誠意が伝わらないのでは」
という、昭和時代的な反対意見も多数あったそうですが、
導入して正解でした。
保護者から、そんな意見をいただいたこともありませんでしたし、
教員が思っているほど、保護者は手書きに執着して
いないというのがわかりました。
このシステムのおかげで楽になったこと、他には
・出欠の管理(出席簿も電子化)
・会議の資料の共有(ペーパーレス)
・会議の短縮・削減
・区内の教員同士のメール連絡
・週案簿の電子化
などあり、校務の時間の削減につながったことは間違いなく
まさに、校務支援システム様様でした。
#普及したわけ#
なぜ校務支援システムは普及したのか?
導入に当っては、年輩の先生方の
不安の声も多数聞かれました。
でも、みなさんそれなりに活用しています。
◇普及した理由◇
1、強制的にシステムを導入したこと
(使わざるを得ない状況をつくった)
2、必要とされていたこと
(あったらいいなと思っている人が多かった)
3、使ってみたら便利だったこと
(操作もあまり難しくなかった)
つまり、何でもそうだと思いますが
ニーズに合致すれば、使われるということです。
通知表の電子化は、まさに
先生たちにとって
喉から手が出るほど欲しい もの
だったと思います。
でも、例えば「PCで作成したい人はどうぞ」と
一部の教員に向けての導入だったら
これほど普及しなかったと思います。
今回の一番のポイントは
有無を言わせず、全職員一気に導入
したところです。
先生たちは真面目な人が多いので
与えられた環境で”やれ”といわれたら
何とかしようと思います。
だから、学校をICT化するためには
強制的に、ICT環境を作ってしまうこと
それが一番大事だと思うわけです。
じつは、このようなやり方?で
学校を改革してしまった校長先生がいます。
次回は、その方を紹介します。