心はいつも太平洋ぜよ!!

タバコのブログ ~O型の雑記帳。何となく気になることを書いていく~

VOL.39 子どもの勉強のやる気を上げる方法 ②

#教育に科学的根拠を#

こんにちはタバコです。

前回、子どもの”やる気スイッチ”を押す方法として

”ご褒美をあげる”ということを紹介しました。

詳しくはこちら↓

momotaron03.hatenablog.com

 

今回は、もう少し詳しくその理由にについて書きたいと思います。

中室さんの研究が新しいのは 

教育に科学的エビデンスを取り入れることの必要性

を主張している点です。

「科学や経済、医療などあらゆる分野で科学的根拠が

 求められているのに、教育だけは、

 個人の経験や体験から語られることが多く

 科学的根拠を必要とされてこなかったし、

 そのおかしさをこれまで誰も指摘してこなかった」

 また、

「教育は例外的な出来事ほど衆目を集める傾向があり

 『わが子を東大に入れた母親の話』などが注目を集めるが

 個人の体験は全体を表すものではなく、真似をしても

 東大に入れさせられるわけではない。」

 ⇒だからこそ、

「例外的な成功体験よりも

 個人の体験を沢山集めて、全体に応用できる傾向を見出し

 (科学的エビデンスを明らかにする)

 それを活用することで教育の質を高めていくことできる」

 これが中室さんが科学的エビデンスを研究している理由で

 講演の冒頭に聞いた話です。

 ”言われてみれば確かに・・・”という感じで、

 ここからどんどん話に引き込まれていきました。

 

#教育経済学とは#

経済学とは、インセンティブ(動機)”のメカニズムを

明らかにするものであり、それを応用して、

子どもが勉強するためのインセンティブを解明し、利用して

子どもが勉強するようになる仕組み(やる気スイッチ)を作る

のが教育経済学だそうです。

経済学は、医療の分析と同じ手法(実験や臨床)を取っている

そうで、それを教育の分野にも取り入れようということです。

 例えば、

”子どもに「勉強しなさい!」と言うのは効果的か?”など

これまで感覚的に”いいんじゃない?”と思っていたことを

実験やデータから”本当はどうなの?”

明らかにするという試みになります。

 

#子どもへのご褒美で正しいのは?# 

みなさんは、勉強 と ゲーム という2つの選択肢が

あった場合、どちらを選びますか?

多くの人がゲームを選ぶと思います。

「勉強は将来の役に立つから大切だよ」と言われても

ゲームという目先の楽しさには勝てないでしょう。

これを経済学では”双曲割引”と言うそうで、

”目の前の利益が将来の利益よりも魅力的に見える”

”遠い将来なら待てるが、近い将来ならば待てない”

のような非合理的行動を説明する概念です。

 

この概念から考えると

”やる気スイッチ”を押すためには、

目の前の利益を魅力的にする必要があるので

今勉強するための利益をはその後ですぐ出してあげる。

勉強したらご褒美をあげる となります。

”100点取ったら〇〇買ってあげる”

というご褒美の良くない点は

1,目の前の利益にならないこと⇒モチベーションが続かない

2,点数を取るための学習の方法、努力をする方法がわからない。

 ⇒勉強することを伝える方が良い

ということ、これらが実験で明らかになっているそうです。

さらに実験では、

”お金は良いご褒美か?”も検証されました。

結果は、

〇小学生:トロフィーや賞状に反応
 ⇒本人たちの名誉を高めるようなご褒美が良い
〇中高生:お金に反応

 ⇒金融教育をセットにすると子どもの貯蓄率が上昇する

という結果で、年代によってご褒美を変えることで

効果が上がると言うことがわかったそうです。

 

#中室さんの講演を聞いて#

中室さんのお話はどれも、実験やデータ解析に基づく

科学的エビデンスが明らかな内容なので

説得力があるように思いました。

今回ご紹介した内容以外にも

たくさんのお話を聞きましたが、

ここでは全てをご紹介することはできないので

興味のある方は、ぜひ本をお読み下さい。

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自分も読みましたが、とても分かりやすく

刺激的な内容でした。おススメです。

講演の後半で

非認知能力の大切さ に触れ

1幼児教育と2教員(教育)の質の重要性にについて

話されていましたが、

『幼児教育の無償化では教育の質を高めることはできない。』

という言葉に、無償化についてそのような視点で

捉えたことのなかった自分には驚きでしたし

視野が狭いなあと反省しました。

色んな方の話を聞くのは面白いですね。